Marble mountain


  • Images provided by Goldwin Co., Ltd.
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「地の流動性を感じる Marble mountain」


2022年の株式会社ゴールドウイン主催のイベント「PLAY EARTH PARK」。イベントに出展されている遊具の中で「地」のエレメントをテーマにしたものが「Marble mountain」です。この遊具の設計を任されたのが山田紗子建築設計事務所。自身の2011年、東北大震災の経験で感じた「地は流動的なものだ」というイメージを反映し、大地が隆起してできた山が並んでいるような遊具を設計しました。迷い込んでしまうくらいの奥行きがある遊具の中に入ると、マーブル模様を印刷した鏡面仕上げに近いシートの反射で、動いている自分の姿やその動きに連動して映り込んだ周りの人や風景が、絶え間なく動いている姿が見えます。それが大地の圧倒的な大きさと流動性を感じさせ、変わりゆく風景を純粋に楽しめる遊具となっています。


Images

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Production story

BACKGROUND

山田氏がテーマである「地」を考えた時に、一番「地」を体感するのが地震。その中でも2011年の東北大震災の経験が大きく、「地は常に流動的なものなのだ」と価値観が一変したと言います。またゴールドウインの渡辺社長と話した際、「地は、人間がものすごく小さなものに感じる圧倒的な存在」という言葉を聞き、流動性みたいなものを維持しながら大地という自分よりも圧倒的に大きく、自分がそこに入っていくと包まれてしまうような、アンコントローラブルな存在として、大地のイメージを立ち上げた方がいいと考えました。そしてできたのが、大地が隆起してできた山が並んだような遊具です。

INSIGHT

大地が隆起してできた山が並んだ遊具の中に入っていくと、周りの景色が見えず、迷い込んでしまうような大きな存在に包まれている感覚を覚えます。山の表面には人工芝の緑、建物の灰色、空の青、マグマの朱色、地を作る様々なものが混ざり合った、地層のようなマーブル模様のシートが貼られており、鏡面仕上げに近いシートの反射で体を動かすと自分がマーブル模様に溶けたり現れたり。また自分以外にも一緒にあそんでいる人や映り込んだ景色も絶え間なく動いています。その様子が山や地面が隆起しては流れるという感覚を直感的に感じられる空間となっています。

SOLUTION

「Marble mountain」をデザインした山田氏は、「地を感じにくい都心の人や、地震を経験していない子どもが、このあそび場であそぶことによって地面の流動性を考えるきっかけになればいい」という思いがあると言います。また遊具にはあえてつかまる場所を設けず、思わず登りたくなる、手を伸ばしたくなるといった子どもが素直に持っている“体を動かしたくなる衝動”を引き出すものを目指し設計されました。

HOW IT WORKS

ジャングルジムみたいに登る、下を走り回っておにごっこやかくれんぼのようなあそびをする、ただ歩く。周囲の景色から遮断された空間で探検するみたいに楽しむのも面白いかもしれません。自分の体を動かしながら各々のあそびを楽しむことで、様々な景色が流れていき、地の流動性を肌で感じることを純粋に楽しむことができます。自分が動くことで地が動く。山全体が、子どもたちが、ひとつの流動体となっていきます。

DATA

「Marble mountain」

設置場所 :
東京ミッドタウン 2022年4月23日~5月29日
富岩運河環水公園 2022年7月24日~8月14日

(「PLAY EARTH PARK」開催期間中)

主催: 株式会社ゴールドウイン

遊具デザイン :山田紗子、鈴木心(山田紗子建築設計事務所)

遊具製作 : ジャクエツ

素材:アルミパネル