「地球とあそぶ、PLAY EARTH PARK」
2022年、「PLAY EARTH(プレイアース/地球と遊ぶ)」というコンセプトのもと子どもやファミリーを対象にしたイベント「PLAY EARTH PARK」が開催されました。主催者である株式会社ゴールドウインが2020年に創業70周年を迎え、改めて会社の存在意義を世界に伝えたいと企画したもので、スポーツの語源である「デスポルト」をキーワードに、スポーツの起源としての自然のあそびに注目し、自然界の5つのエレメントをテーマにした遊具を、建築家やファッションデザイナーにデザインを依頼し製作。街の中にこれまでにないユニークなあそび場が期間限定で設置されました。
Images
Production story
BACKGROUND
1951 年に創立し、スポーツウェアメーカーとして歴史を重ねてきたゴールドウイン。東京オリンピックを機に、あそびを通して自然と共生する未来を目指し、「PLAY EARTH(プレイアース/地球と遊ぶ)プロジェクト」を立ち上げました。東京ミッドタウン芝生広場の期間限定公園を皮切りに、富山県富岩運河環水公園・富山県美術館、恵比寿ガーデンプレイス、2023年10月にオープンした都立明治公園と、地球とつながる新たなあそびの輪が広がっています。
INSIGHT
オリンピックの開催を控え、改めてスポーツの本質を再定義するところから、プロジェクトが開始しました。英語の「Sports」は19~20世紀にかけて一般化した言葉であり、その由来はラテン語の「deportare」(デポルターレ)。日々の生活から離れること、すなわち、気晴らしをする、休養する、楽しむ、遊ぶなどを意味します。古代民族が、獲物を追いかけ走る、木に登る、川を泳ぐといった過酷な狩猟生活の傍らで、余暇を楽しんでいたように、スポーツの原点には、自然と共に生きる原始的な楽しみが存在していました。すでに決められたルールの中で競い合うのではなく、自分の好奇心のままに環境や関係性から遊び方そのものを生み出し、ルールを考え、世界との新たなかかわりを発見、更新していく。スポーツの可能性を拡張し、美しい自然とともに人間らしくある未来へと進むため、「PLAY EARTH(プレイアース/地球と遊ぶ)」というコンセプトが生まれました。
SOLUTION
自然を体験することで、人間の本質的な状態をつくり上げる上で必要不可欠なあそびを呼び起こし、原始的な自然に触れ、好奇心のままに学び、感動すること。
この体験の積み重ねにより、仲間や自然と言葉を超えた関係性を築くことがゴールドウインの考えるスポーツの原体験です。
地球を構成する5 つのエレメント「地」・「水」・「火」・「風」・「空」をテーマに、5組の建築家がプリミティブ(原始的)な遊びをつくりだす「遊具」を出現させました。自然の多様性が体験できるよう、建築家をはじめとした様々な分野の専門家が協力して製作。自然に備わっている原理、現象を、あそびを通して直感的に掴み、繰り返し経験していくことで実感へと変えていく。新たな冒険と秩序を生み出すあそび空間が誕生しました。
HOW IT WORKS
30 年後の美しい地球を想像するとき、未来をつくる子どもたちと共に、地球と遊ぶ、「PLAY EARTH PARK」。期間限定の公園は、連日行列ができるほどの賑わいを生み、スポーツウエア、アウトドアウエアメーカーとして、未来のスポーツ、未来の自然をつくっていく子どもたちの感性を育む新たな遊び場として機能しました。ミッドタウンでの開催後、7月23日から8月14日にかけて富山の環水公園に会場を移して「PLAY EARTH PARK 富岩運河環水公園・富山県美術館」を開催。本社のある富山の地で、多くの社員が現場で子どもたちと時間を過ごすなど、社会とともにあるゴールドウインという企業の意義を改めて感じることもできる期間となりました。
DATA
「PLAY ARTH PARK」
開催場所 :
東京ミッドタウン 2022年4月23日~5月29日
富岩運河環水公園 2022年7月24日~8月14日
主催 : 株式会社ゴールドウイン
遊具デザイン :
地 / 山田紗子(山田紗子建築設計事務所)
空 / 大野友資(Domino Architects)
火 / Noiz
遊具製作 : 地/空/火 ジャクエツ
会場設営 : 博展